第84章 ネイチャーストーブで至福の時(2011.12.24)
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ネイチャーストーブ、ガスや灯油と言った化石燃料を使わず、杉の葉や小枝などを燃料とした持ち運び式ストーブ。焚き火が趣味の人にはお勧め。味気ないガスストーブよりも、より原始的で野生的な感覚を味わうことができる。マッチで火がつく炭を入れれば七輪代わりにもなるだろう。火の扱いに慣れていれば、着火はマッチ一本で十分。成長式燃焼法(煙突効果)の薪ストーブの原理で、下から上に向かって、風が発生し、燃え出すと強力な火力となり、お湯もすぐに沸く。燃料は現地調達が基本だが、雪山の雪原ではリュックにあらかじめ燃やす材料を詰めておかないと無用の長物になる。ティッシュ、杉の葉、そして小枝の変わり使用済みの割り箸が最適。また、少し太めの水木の枝も2、3本準備しておく。そして、マッチが必需品となる。でも、スノーシュで野山を駆け登っていると汗もかき、ポケットのマッチは使い物にならない場合がある。化石燃料の利用は残念ではあるが、ガスライターも持参して置いたほうが無難だ。下のティッシュに着火し、後は煙突効果で上昇気流で割り箸に火が移ってくる。火が全体に回り、やがて火力も強くなる。ここまで来れば、後は少し太めの枝を投入し、足元の雪をケトルに入れ、これをストーブの上に乗せる。数分経てばお湯が沸くだろう。
今回、試作したネイチャーストーブは百均部材で計420円。通常購入するとその10倍以上するが、使用頻度も少ないだろうから、これで十分だ。デザイン的には、雲泥の差はあるが、機能的には問題ないし、何よりも今までの家庭用ガスコンロを持参するよりも楽である。トレーを4枚にしようか迷ったが、組み立てバランスを考えて3枚にした。園芸バサミとペンチ、そして軍手をはめていざ加工。焼き網を上下にばらし、片方は底網に利用するため三角形に加工。トレーは接合部分と底網部分をカット。ステンレスのカットには危険が伴うので慎重にしたい。組み立てながら、所要箇所をカットし加工。実所要時間は1時間弱だが、あーでもない、こーでもないと楽しく考えていた時間を約1時間費やした。
(百均部材)
・ステントレー(258×158×12mm):3枚
・挟み焼き網(小):1枚
「このチキンラーメン、最高っす」
「ネイチャーコヒーも楽しみっす」
「ごめん、ドリップ一人分しかなかった」
「雪はたくさんあるし、アメリカンで満足っす」
「新雪で沸かした水は、特に美々だよ」
「うーん、うまいすっ(大声)」
「うーん、うまいすっ(山彦が帰ってきた)」
時に小動物の足跡をたどりつつ、ホワイトパウダーの新雪をスノーシュで進む。普段は雪がないと進めない山野も、スノーシュなら大丈夫。休憩場所は、先日、発見した湯槽山(ゆぶねざん)の眺望が見えるお気に入りの場所。この山は地名から片波山とも云われ、また、山の雄姿から「北山の富士」とも云う。この山の眺望を楽しむことができる場所に大きな巨木が横たわっている。「どうぞ、ここに座って寛いでくれ」と云わんばかりだ。この大木の上に腰掛け、ネイチャーストーブに火を入れ、コーヒーカップを片手に眺める雪の北山富士の雄姿は至福の時だ。来年の冬山はどんな表情を見せてくれるか、今夜のイブの降雪が楽しみだ。
(次回に続く)